2019年3月24日日曜日

最近の愛読書

ここ最近、また読書の波が自分の中でやってきましたので
電車の中やお休みの日は喫茶店で本を読んで生活しています。

この前、古書店をたまたま通りかかったので覗いてみたら気になる書籍がいくつもあったので勢いで買いました。



一番左の1冊以外を購入。
(刺青・秘密はお店に置きっぱなしにしていただけ)
しかも同じ日にもう一冊蔦屋で本を買っていたので結果1日で4冊購入してしまいました。

普通の大型書店ではあらかじめ気になっていた本を購入し、
古書店ではそのとき目に留まったものを購入するようにして使い分けています。

大型書店だとどうしても打ち出している新刊だったり、
出版社ごと、ジャンルごとに分けられていて、しかも広いもんだから
情報量が多すぎて、あっこれだというひらめきが降りてこない。。
その点、古書店だと年代もバラバラで
この作家のこの本は見たことないなっていうものもあったりして凄く面白い。





荒木経惟の「愛しのチロ」
写真家、荒木経惟夫妻の飼い猫であったチロを撮影した一冊。
今週のメルマガのWeekly Sisterでもご紹介したのですが、
日常の二人と一匹の風景を写し出した写真たちと
荒木経惟の手書きの文章で綴られています。

妻、陽子さんが病に倒れる前から撮影されていて、入院後のチロとの二人の生活などが記録されています。
この本の刊行を楽しみにしていた陽子さんは、製本を見ることなく他界され、
陽子さんの棺の枕元にはこの本が並べられていたのがとても印象に残っています。

猫嫌いだったという荒木経惟の心を射止めて、
被写体として撮られ続けたチロ。
この本以外にもチロ関連の写真集はいくつかあって、
妻、陽子さん同様に荒木経惟に愛された女として有名です。

日常により濃く写し出された愛情を感じて、
実家の愛犬や、家族を思い出してとても暖かい気持ちになりました。



澁澤龍彦「女のエピソード」
古今東西の女性たちのエピソードを紹介した一冊。
マリーアントワネットから始まり、マリリンモンローや聖母マリア、ヴィーナスなど、
実在の人物から神話の女性など内容は様々。

一人につき数ページの短い章でまとめられていて、
とても読みやすかったです。
もとは資生堂の「花椿」での連載だったようで、
澁澤龍彦らしさは少し控えめの模様。
この本で初めて名前を目にした人物も何人かいて、とても興味深い内容。
気になった一人の人物を掘り下げていく糸口になるそんな本です。

澁澤龍彦の個人的な見解もまた面白く、
和泉式部のエピソードでは
「紫式部は、頭がよすぎて冷たいような感じがするし、
赤染衛門は良妻賢母型の女で、おとなしすぎて、どうも面白みが少ない。
清少納言はさっぱりした、機知のひらめきのある女らしくて、
好感はもてるけれども、才気をひけらかしすぎる嫌いがなくもない。」
と和泉式部を除くお三方をこう表現。
一方、和泉式部のことは「現代的なムードを漂わせた、華やかな自由恋愛のチャンピオン」とまで評しています。

やはり歴史を紐解いていくと、いろんな諸説があったり
当時の時代背景を考えると現代と大きく違う部分があり、凄く興味をそそられます。

次の澁澤龍彦作品は「世界悪女物語」を読んでみようかと思っています。








最近読んだ小説だと千早茜、尾崎世界観の合作の「犬も食わない」
もともと千早茜さんの書く文章が好きで、
昔からファンだったので新刊を見かける度に買っていたのですが、
タイミングを逃していて最近やっとこちらを購入しました。

正直、尾崎世界観が描く小説、、、癖が強そう、、
と思って手を出せないでいたのですが(ファンの方すみません。偏見です。)
とても楽しく読ませて頂きました。
同棲カップルの話なのですが、
彼女目線を千早茜が、彼氏目線を尾崎世界観が描いていて
文体や表現が全く異なるところが凄く新鮮でした。
ダメな男とめんどくさい女、妙にリアル。

いつもながらの千早茜さんの文才、と思いながらも
合作だからなのかいつもと少し違う雰囲気。
尾崎さんも「あーー!クリープハイプっぽい!」と思う部分が
散りばめられていて面白かったです。

堂々巡りを繰り返す中でお互い学んで成長していくのを見て凄くすっきり。
タイトル通り犬も食わない。と思いました。

読書感想日記になってしまいましたが、
本に関してはまだまだ未開拓な部分が多いので
稚拙な表現ばかりですがお許しください、、

買いためた本も多いので次は何を読むか考え中。


CHAKI