2019年3月29日金曜日

限局性激痛

先日のお休みには原美術館に行って参りました。
ソフィカルの限局性激痛。
前、twelvebooksの内覧会にお邪魔したときに原美術館でやってますよ。とおすすめされてからずっと気になっていて、やっと行けた。





会期中、行けるのがラストチャンスだったのですが、入場締め切りの時間丁度に到着。
文字通り駆け込みです。笑

平日なのに結構人が多くてびっくりしました。(春休みだからかな?)

この展示はソフィカルの失恋体験による痛みとその治癒を作品化したもの。
展示の構成は2部構成。
人生最悪の日(恋人に振られる日)までのカウントダウンを写真と手紙で綴った第一部と
その失恋話をいろいろな人に話し、聞いてもらう代わりに相手の最もつらい経験を聞くことで、心の傷を少しずつ癒していく様子を綴った第二部で構成されています。


タイトルである「限局性激痛」は医学用語で身体における限局性(狭い範囲)の鋭い痛みを意味しています。


第一部はソフィカルが3か月、奨学生として滞在した日本での写真と手紙。
写真には大きく「~DAYS TO UNHAPPINESS」と書かれた印が1枚1枚に押されています。
人生最悪の日までのカウントダウンは当日までのやり取りを見て、
遠距離恋愛らしい悲痛な思いを感じました。
鑑賞者である私たちは突然やってきた別れに結末が分かっていながらも衝撃を受け、階段を上がって第二部へと進みます。

第二部は失恋体験を人に話し、話し相手の最もつらかった話を聞く様子が写真と文字の刺繍で綴られています。
ソフィカル自身は「自分の苦しみを人に語れないのが一番つらい」と考えているそうで、
ソフィカルとの対話で初めて悩みや苦しみをカミングアウトした人もいたという話。
この対話の中で徐々に前に向かい始めたソフィカルの様子も刺繍の文章からも読み取れました。
いろんな人に話していくにつれてソフィカル自身の失恋話がどんどん簡潔になって、
刺繍糸の色も白い糸から麻地の布と同色のグレーに染まっていきます。

最後の方は「語るに値しない」と書いていて
悲観的な雰囲気から前向きな気持ちにシフトしているのだと感じました。

じっくり鑑賞したあとは、大崎駅までゆっくり歩いて帰りました。





展示を見てすっきりとした気分で眺める原美術館の外観。
綺麗なタイル。
すがすがしい気持ち。



桜が色づき始めていい眺めでした。



美術館で展示を見たあとは、いつも周りを見渡してゆっくり帰ります。
景色が新鮮に見えるので楽しいです。

次は6月から始まるクリスチャンボルタンスキーの回顧展に行く予定。
まだまだ先だけど楽しみーー!!

CHAKI