ロードトリップ写真集なので、ロバートフランクお好きな方は好みかもしれないですね。
アレックソスは国際的写真家集団のマグナムフォトに正会員として
登録されているアメリカ人フォトグラファー。
路上に出て旅をしながら撮る、ロードトリップ写真がアメリカでは伝統的なスタイルとして確立されています。
アレックソスもその一人で、初写真集「SLEEPING BY THE MISSISSIPP」は
2004年に刊行され、反響も多く初刊は10万のプレミアがつくほどだったそうで、
2017年にMACKから復刻版が出版されています。
「SLEEPING BY THE MISSISSIPP」はミシシッピ川を題材にしていながらも、
直接的にミシシッピ川を撮影しているものはあまり多くなく、
ミシシッピをメタファーとして捉えた写真集となっています。
こちらの「NIAGARA」もナイアガラの滝を撮影したものももちろん含まれていますが
ナイアガラ周辺のモーテルや新婚夫婦やカップルなども被写体として捉えていて
作中に登場するラブレターは十代の片思い、職場恋愛、失恋、自殺などそれぞれの被写体のエピソードとして綴られています。
ロードトリップ写真にはセンチメンタルな感情が織り込まれていると感じることが多くありますが
それも写真を媒介してのひとつの楽しみかただと思います。
その場その場の空気感が詰め込まれた写真にはやはり惹かれるものがあり
私にとって写真を見る上での楽しみの一つです。
アレックソスがインタビューで共感した写真家としてあげていたのが
日本人写真家、深瀬昌久さん。
写真集『The Solitude of Ravens』を見て、なんだこれは!と衝撃を受けたとのこと。
ありがたいことにSisterでも深瀬昌久さんの作品はいくつかお取り扱いしておりますので
こちらも是非合わせてご覧いただけますと嬉しいです。
CHAKI